誰かに聞いてもらったりアドバイスを受けることによって悩みや問題が解決する場合もありますが、それでは一時的な解決にしかならないことを感じる場合があります。また、私たちは最近『カウンセリング(心理療法)=話を聞いてくれる』という考えが広まっているのではないかと思うことがありますが、それだけでは根本的な解決にはならないと感じる場合があるのではないかと考えています。
対人関係がうまくいかない、いつも同じ失敗を繰り返してしまう、なぜだかわからないけれどいつもむなしい気持ちがする、自分の気持ちがわからなくなる、気づくと同じようなことで悩んでいる、自分の性格が気になる、など、こころに関する悩みや問題は人それぞれです。時には、自分でも気づくことのできない自分の傾向がその問題を作り出していることがあります。
そのような時、心理療法ではその人が自分の意識されていない傾向や考えに気づき、ゆっくりと変化していくことを目指します。それは、クライアント(相談者)が自分のこころに向き合い、カウンセラーと一緒に自分自身の傾向や考えを見つめていく作業と言えるかもしれません。そのため、心理療法の過程にクライアントが積極的に参加することが求められます。また、それらは目の前の問題を解決するのではなく自分を変化させることを目指すため時間のかかる地道な作業かもしれません。しかし、そのような地道な作業を通じてこそ、自分自身への気づきや本質的な変化が生まれるのではないかと考えています。
心理療法は、原則として決められた曜日、時刻に決められたカウンセラーとの間で週1回、50分間、1対1で行なわれます。 |